パブリックリレーションズ（PR）成功事例を紹介！PRの種類とは？

パブリックリレーションズ（PR）は企業の広報戦略に欠かせない考え方です。

この記事では、パブリックリレーションズ（PR）の成功事例および種類・方法について解説していきます。

• パブリックリレーションズの成功事例とは？
• パブリックリレーションズにはどんな種類がある？
• パブリックリレーションズの具体的な進め方

国内の成功事例を参考にしながらパブリックリレーションズ（PR）がどんなものかを確認していきましょう。

パブリックリレーションズ（PR）ってどんな戦略？

パブリックリレーションズは企業や地方自治体が外部環境と適切に関係を作るために欠かせない活動です。
適切なパブリックリレーションズはブランディングの効果も期待できます。

パブリックリレーションズ（PR）とは？

パブリックリレーションズ（Public Relations）とは企業が市場や顧客などの外部環境と適切な関係を作り出す考え方です。

PRSJ（公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会）によると、パブリックリレーションズは「組織とその組織を取り巻く人間との望ましい関係を作り出すための考え方」と定義されています。

パブリックリレーションズ(Public Relations)とは、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方である。19世紀末から20世紀にかけてアメリカで発展し、日本には第二次世界大戦後の1946年以降にアメリカから導入された。企業・官公庁・団体他、あらゆる組織の運営に欠くことのできない考え方といえる。
パブリックリレーションズについて、アメリカで教科書として定評がある『体系パブリック・リレーションズ』では、次のように定義されている。
「パブリックリレーションズとは、組織体とその存続を左右するパブリックとの間に、相互に利益をもたらす関係性を構築し、維持するマネジメント機能である。」

引用：公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会

パブリックリレーションズと広報はどう違う？

パブリックリレーションズと似た概念に広報があります。
広報はパブリックインフォメーションと訳され、公的な情報を周知する際に用いられます。

このように、パブリックリレーションズと広報は厳密に違う定義ですが、一般的にはほぼ同義で使われることが多いです。

パブリックリレーションズのために行う活動を単に広報と読んだり、企業の広報担当がパブリックリレーションズを行うこともあります。
広報といっても公的な情報のみならず、顧客など外部環境との良好な関係を築くパブリックリレーションズを実行しています。

パブリックリレーションズの目的

パブリックリレーションズの目的は顧客など外部環境と適切な関係を構築し、維持することです。
目的に応じてターゲットを定め、企業が社会的責任を果たしていることをアピールできます。

パブリックリレーションズの成功事例

パブリックリレーションズを実現することで集客力が増すなどのブランディング効果を期待できます。

ここでは、地方自治体や企業のブランディングを実現し、パブリックリレーションズに成功した事例をいくつか見ていきましょう。

• 長野県阿智村：星空を利用した観光客にPR
• P＆Gジャパン・株式会社アフロ：家事負担の分担をPR
• 埼玉西武ライオンズ：チームロゴであるライオンの保護をPR

地方自治体のPR動画（長野県阿智村）

地方自治体では人口減少を食い止め、観光地としてアピールすることで活性化を目指しています。
地方による持続的な社会活動を創ることを地方創生と呼びます。

長野県阿智村は地方創生の成功例として有名です。
環境省認定が「日本一の星空」と指定している観光資源を持つ同地域では年間で約6万人もの観光客が訪れます。
ちなみに、「日本一の星空」というのは2015年に商標登録されています。

地元企業と連携してパブリックリレーションズに励み、地方自治体としてブランディングに成功した大きな事例の1つです。
昼神温泉などは年間を通じて多くの観光客で賑わっています。

家事負担の分担をPR（P＆Gジャパン・株式会社アフロ）

P＆Gジャパン（プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社）では「家事分担をJOBからJOYへプロジェクト」を立ち上げ、夫婦の家事分担を応援しています。

台所用洗剤ブランド「JOY」を通じて家庭内の家事分担をPR。
プロジェクトを通じて、女性と男性が家事を分担することで気持ちを分け合うことを強調しました。

プロジェクトでは写真提供の株式会社アフロと連携し、家事分担に関する画像を公開。
従来、「家事」のイメ―ジ画像は7割以上が女性の写真でした。
プロジェクトを通じて家事分担の割合を強調することで、この割合を変えていきたいというのが本プロジェクトの狙いです。

プロ野球チームと動物保護をPR（埼玉西武ライオンズ）

プロ野球・埼玉西武ライオンズでは球団のシンボルであるライオンを保護するためのキャンペーン『SAVE LIONS ～消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト～』を立ち上げています。

本プロジェクトでは野球を通して社会問題の解決を目指しています。
チャリティーオークションであがった収益をオックスフォード大学の動物研究機関へ寄付し、ライオンの保護に貢献しているのです。

プロジェクトを通じて多くのメディアで取り組みが報じられ、社会問題解決を目指す球団運営におけるパブリックリレーションズの成功事例とされています。

埼玉西武ライオンズは2019シーズンより、コミュニティ活動『L-FRIENDS』の環境支援の一環として『SAVE LIONS ～消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト～』を立ち上げ、 野球を通して社会問題を解決し持続可能な社会を実現するための取り組みを行ってまいりました。

2020年8月13日(木)楽天戦においては、ファンの皆さまと共に活動するイベント「SAVE LIONS DAY」を開催し、 レオが25回以上連続バック転を成功させると10万円を募金する企画「バック転チャレンジ」や、チャリティーグッズ販売、ファンの皆さまからの募金など様々な活動を行いました。
また、当日着用したオリジナルキャップはチャリティーオークションへ出品しました。
それらの経費を除いた収益『1,879,346円』を、英国オックスフォード大学の動物研究機関“WildCRU(ワイルドク ルー)”へ寄附しましたのでご報告いたします。

引用：SAVE LIONS ～消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト～ での寄付のご報告｜埼玉西武ライオンズ

パブリックリレーションズの種類

パブリックリレーションズの対象は顧客のみならず、マスメディアや投資家など様々なターゲットを設定します。
パブリックリレーションズには以下表の通り、5つの種類があります。

企業はこれらのターゲットを意識してパブリックリレーションズ（PR活動）を進めていきます。
ターゲットを明確にすることで企業の社会的責任を果たす必要があります。

インベスター・リレーションズ

インベスター・リレーションズは投資家をターゲットにしたパブリックリレーションズです。

株式会社にとって投資家は資金調達のために重要な存在です。
株主総会は最高意思決定機関であり、株式会社にとって重要な決断をする際には株主の承認が必要不可欠です。
そのため、パブリックリレーションズにおいて投資家（インベスター）と適切な関係を築く必要があります。

株主のみならず、株式市場や証券アナリストと良好な関係を築くのもインベスター・リレーションズの役割です。

カスタマー・リレーションズ

カスタマー・リレーションズは顧客（カスタマー）を対象にしたパブリックリレーションズです。

言うまでもなく、顧客は企業の利益に直結する重要な存在です。
顧客との関係を良好にすることで企業の収益力を改善、あるいは維持していくことが求められます。

メディア・リレーションズ

メディア・リレーションズはメディアを対象にしたパブリックリレーションズです。

企業に対するブランドイメージはメディアを通じて顧客や投資家に伝わっていきます。
メディアとの関係を良好にすることで、顧客に正しい情報を伝えられるのです。

メディアの手段にはテレビや新聞、雑誌などが挙げられます。
近年ではWebメディアへのPR活動も重要です。

エンプロイー・リレーションズ

エンプロイー・リレーションズは従業員（エンプロイー）を対象にしたパブリックリレーションズです。

従業員など企業内部に対して自社のPR活動を推進していくことで、企業理念や企業の方向性を正しく伝えられます。
エンプロイー・リレーションズによって従業員のモチベーション向上および離職率低下にも繋がり、優秀な人材確保にも繋げられるのです。

コミュニティ・リレーションズ

コミュニティ・リレーションズは地域社会やNPO法人をターゲットにしたパブリックリレーションズです。

健全な企業活動をするには地域社会との関係を良好に保つ必要があります。

パブリックリレーションズの手順と方法

パブリックリレーションズでは適切な計画の立案をしながらPR活動を進めていきます。
パブリックリレーションズは以下の手順で行います。

• 現状認識と課題の洗い出し
• 目標設定
• 戦略の立案・実行
• 評価・改善

これらの手順はPDCAサイクル（Plan,Do,Check,Action）の要領で繰り返し行っていくものです。
パブリックリレーションズ実行の手順について、具体的に確認していきましょう。

現状認識と課題の洗い出し

パブリックリレーションズを行うには現状を認識し、課題の洗い出しを行います。

現行のマーケティングではどのような課題があるのか？
どんなターゲットを相手にパブリックリレーションズを行う必要があるのか？

• 市場関係者の自社ブランドに対する意識調査
• 消費者の市場に対する意識調査
• マイナスイメージの払拭

以上のように関係者の声をヒアリングしながら課題を洗い出して目標設定の準備をします。

目標設定

計画を実行する際には目標が必要です。
パブリックリレーションズを行う際、ゴールとなる目標を定めます。

目標設定には具体的な数値を定めることが効果的です。
パブリックリレーションズのために必要な費用と、パブリックリレーションズによる業績指標を定めて効果を見積もりましょう。

戦略の立案・実行

具体的な目標を定めたら、戦略を立案・実行します。

目標設定のためにはどのような手段が有効か計画を作成します。
パブリックリレーションズの実行には担当チームを結成して具体的な戦略立案および戦略の実行が必要です。

販売促進のためのPR活動、環境問題など社会問題解決への取り組みに関するPR活動などを行います。

評価・改善

最後に、パブリックリレーションズが上手くいったかどうかの評価をします。

PR活動においては評価まで済んだらPDCAサイクルのように繰り返しPR活動を改善していきます。
PDCAサイクルとは「Plan（計画）→Do（実行）→Check（評価）→Action（改善）」を順に進めていき、改善の段階まで行ったら再び新たな計画を行うものです。

パブリックリレーションズで企業のブランド価値を高めよう

パブリックリレーションズの成功事例およびターゲットの種類について確認しました。

パブリックリレーションズでは顧客のみならず、マスメディア・行政機関・地域社会に配慮して計画を実行していくものです。
ターゲットごとの課題を分析し、適切なPR活動をすることで企業の社会的責任を果たせるでしょう。

パブリックリレーションズによって外部環境との関係を改善していくことで企業のブランドイメージを高められます。
パブリックリレーションズはマーケティング活動においても重要な経営戦略といえるでしょう。

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