お問い合わせ
お電話でのお問い合わせ
03-6447-2653
メールでのお問い合わせ

景品表示法の違反事例を紹介!ソシャゲのコンプガチャは不当表示に該当する?

advertisement

2023.10.26
  • 広告表示・コンテンツ

広告などは正しい情報を表示しないと景品表示法に違反する恐れがあります。
景品表示法の違反事例にはどのようなものがあるでしょうか?

この記事では、景品表示法の違反事例を参考にしながら不当表示の種類を解説。
誇大広告やソシャゲのコンプガチャ等、身近にある景品表示法の事例を考察していきましょう。

<この記事で分かること>
どんな場合に景品表示法になる?
景品表示法に違反した事例
コンプガチャは景品表示法違反?

景品表示法の違反事例に注意して、適切な広告表示をしましょう!

景品表示法に違反するのはどんなケース?

景品表示法違反事例

景品表示法では不当な表示あるいは過度な景品の表示を禁止しています。
これは、事業者が取引を有利にするため一般消費者の判断を誤らせることを防ぐことが目的です。

景品表示法に違反する例はどのようなケースがあるでしょうか?
景品表示法の概要について、詳しく見ていきましょう。

景品表示法とは?

景品表示法、あるいは景表法は景品類の表示に関する法律です。
正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。

景品表示法は消費者の正しい判断を確保するため、広告などの表示に関する規定です。

消費者庁および景品表示法第2条第4項によると、「表示」とは以下の行為と定義されています。

  1. 顧客を誘引するための手段
  2. 事業者が自己の供給する商品又は役務(サービス)の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行われている
  3. 広告その他の表示

商品やサービスを有償で取り扱う事業者はその広告について正しい表示をする義務が設けられています。

分かりやすく言い換えると、「うその表示をして消費者を騙してはならない」という内容です。

広告会社の責任

景品表示法で定められている事業者とは、商品やサービスを提供する事業者当人です。
事業者は広告などを正しく表示する責任を負う義務があります。

一方、広告を作成する広告会社は景品表示法における「表示」に責任を負うべきでしょうか?

消費者庁の見解によると、広告代理店やメディア媒体など広告の製作者は景品表示法の規制対象とはなりません
商品・サービスを提供する当人ではないため、表示の責任については責任を負わないのです。

ただし、広告の製作者も一般消費者に広告を表示する責任を負う役割を持つことを認識しなければなりません。

景品表示法の規制対象である「広告その他の表示」とは、事業者が「自己の」供給する商品・サービスの取引に関する事項について行うものであるとされており、メーカー、卸売業者、小売業者等、当該商品・サービスを供給していると認められる者により行われる場合がこれに該当します。
他方、広告代理店やメディア媒体(新聞社、出版社、放送局等)は、商品・サービスの広告の制作等に関与していても、当該商品・サービスを供給している者でない限り、表示規制の対象とはなりません。しかしながら、広告代理店やメディア媒体は、広告を企画立案したり、当該広告を一般消費者に提示する役割を担うことにかんがみ、当該広告に不当な表示がなされないよう十分な注意を払ってください。

引用:消費者庁

景品表示法の違反事例と不当表示の種類

景品表示法違反事例

ここからは、景品表示法に違反した事例として実際に起きたニュースを交えて解説していきます。

景品表示法では具体的な規制対象として、以下のケースを規制対象として挙げています。

  • 景品類の制限及び禁止:過度な景品類の提供を禁止する
  • 優良誤認:実際よりも優良な商品・サービスであると誤認させる表示を禁止する
  • 有利誤認:実際よりも有利な条件での取引と誤認させる表示を禁止する

景品類の制限及び禁止

景品表示法では不当な顧客の誘引するため、過度な景品類の提供を禁止しています。
景品類の価額の最高額若しくは総額を制限し、一般消費者の合理的な選択を確保することが目的です。

例えば、一般懸賞の場合は以下の通り景品類の価額に上限が定められています。
一般懸賞とは商品・サービスの利用者に対してくじ等の偶然性、特定行為の優劣等による景品類の提供を指します。

例えば、5,000円の商品に対する景品類の価額は10万円です。

懸賞による取引価額限度額(最高額)限度額(総額)
5000円未満取引価額の20倍懸賞による売上総額の2%
5000円以上10万円懸賞による売上総額の2%

ここでいう「景品類」とは商品の付録につける景品を指します。
例えば、商品を購入した顧客に提供するくじ引きを過度に高額なものを設定してしまうと、消費者が景品に惑わされて質の低い商品を買わされてしまう恐れがあります。

景品表示法では消費者の選択を保護するために景品類の限度額を設定しているのです。

(景品類の制限及び禁止)
第四条 内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。

引用:不当景品類及び不当表示防止法第4条『景品類の制限及び禁止』

コンプガチャは全面的に禁止されている

スマホアプリのコンプガチャは『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準によって全面的に禁止されています。
コンプガチャとは「二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法」による商品です。

カード合わせの方法を用いた懸賞による景品類の表示は全面的に禁止されています。
2つ以上のカードを組み合わせる、つまりコンプリートするためには何度もガチャを回さなければなりません。

いわゆるスマホの「ガチャ」は欺瞞性が強く、射幸心をあおる度合いが著しく強いものとされます。
知らず知らずに数十万円、数百万円を使ってしまうという事例も多数報告されているものです。
子供が知らず知らずに課金してしまうという例もあり、社会問題に発展しました。

優良誤認表示の事例

景品表示法違反事例

景品表示法で禁止されている不当表示に「優良誤認表示」があります。

優良誤認表示とは、実際の商品やサービスよりも著しく優良であると表示することで消費者を誘引する広告です。
顧客を誘引するために虚偽の広告をしてはならないという決まりが定められています。

景品表示法第5条第1号には、「商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる」表示をしてはならないと規定されており、この表示が、いわゆる優良誤認表示ということになります。

引用:消費者庁

自動車のガソリンによる優良誤認表示

自動車のガソリンに関する表示が優良誤認表示として摘発された事例があります。

ガソリンスタンドを運営する茨城県の会社ではガソリンを「ハイオク」として販売。
しかし、実際に販売していたガソリンの大部分はレギュラーガソリンでした。

消費者の判断を著しく誤らせる表記として、同社は再発防止策を求めるよう措置命令が下りました。

データ通信サービスによる優良誤認表示

MOBILE LTEというモバイルデータ通信サービスにおいて通信速度に関して優良誤認表示が指摘された事例があります。

データ通信サービスを提供するイー・アクセス社は「速っ!通信速度最大75Mbps東名阪主要都市人口カバー率99%(2012年6月予定)」という広告を表示。
しかし、実際には東名阪主要都市の人口カバー率を99%にする計画は存在していませんでした。

広告表示の「75Mbps対応」は東京都港区台場及び周辺地区のみであり、虚偽の広告であったと指摘が入ることに。

同社は広告表示を修正したうえで謝罪を行いました。
合わせて、後日にWi-Fiルータ2機種向けにUSB接続で下り最大75Mbpsに対応するソフトを無償提供する対応を発表しています。

温泉の効能による優良誤認表示

温泉の効能に関して優良誤認表示があった事例を紹介します。

指摘が入った老舗温泉では、温泉の効能を以下のように広告していました。

①湯出量:1分あたり300リットル
②源泉かけ流し(一部循環)
③良質・効能 解毒作用、デトックス作用

しかし、実際には同温泉は温泉法に基づく温泉の利用の許可を得ていないことが判明。
温泉ではなく井戸水を加温したものであり、効能を証明できる手段はありませんでした。

優良誤認表示の指摘について、運営者側は老舗温泉として創業以来の認識不足があったことを謝罪しています。

温泉の効能は消費者が体感しづらいもので、運営者側の認識不足も原因であったという一例です。

有利誤認表示の事例

有利誤認表示とは、価格などの取引条件について実際よりも有利な条件であると見せかける表示です。

「他社よりも割安!」「標準価格よりも割安!」というような表示は消費者の購買意欲を誘引します。
表示が事実であれば問題ないのですが、誤った表示や架空の表示をすることは有利誤認表示として消費者の判断も誤らせてしまいます

景品表示法第5条第2号には、「商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる」
表示をしてはならないと規定されており、この表示がいわゆる有利誤認表示ということになります。

引用:消費者庁

振袖のセット販売による有利誤認表示(二重価格表示)

有利誤認表示の事例として、振袖のセット販売による有利誤認表示が挙げられます。

振袖を取り扱っていた松村株式会社は「コーディネート価格」と称する販売価格に、当該販売価格を上回る価額の「標準小売セット価格」と称する比較対照価格を併記する広告を表示。
標準小売セット価格よりも安く買えるお得な商品であるように見せていました。

しかし、標準小売セット価格と表記していた価格は同社が設定した架空の価格であることが調査で明らかに。
消費者の判断を大きく誤らせる表示であるとして、有利誤認表示として指摘を受けています。

その他誤認される恐れのある表示

景品表示法違反事例

優良誤認表示や有利誤認表示以外にも消費者を騙すような広告は不当表示として景品表示法に違反する場合があります。

代表的な不当表示の例として、「おとり広告」があります。
おとり広告とは実際には取り扱っていない商品を広告に載せて客寄せをして、他の高額商品を売りつけるものです。

うなぎのおとり広告

おとり広告として指摘された例として、うなぎのおとり広告が挙げられます。

香川県、岡山県で鮮魚を取り扱う企業は高級魚であるうなぎの広告として「愛知県三河一色産 うなぎ蒲焼1本 1,980円より」と表記。
しかし、実際には対象商品の仕入れはなく、うなぎの取り扱いには対応できないものでした。

同社には景品表示法に違反する広告を掲載していたことを消費者に伝えること、および再発防止策の徹底をするよう命令が下りました。

景品表示法の違反事例に注意しよう

景品表示法違反事例

景品表示法の概要や違反事例について見ていきました。

広告では売上アップを狙うあまり、虚偽の記載をしてしまうことに注意。
消費者の判断を著しく誤らせるような広告は景品表示法に違反するものとして罰せられる場合があります。

今回紹介した事例を参考にしながら、適切な広告を表示するように気を付けてください。

]]>

Follow me!

RECOMMENDおすすめ記事

PAGE TOP