レピュテーションリスクとは?意味を解説|事例や対策も紹介
fuhyo-higai
- 風評被害
レピュテーションリスクとは
レピュテーション(評判)は、企業活動を持続可能にするために重要です。似ている言葉にブランドがあります。ともに高めていくことは難しいものですが、レピュテーションはちょっとしたきっかけで低下しやすいため、注意しなくてはなりません。
ネット社会である現在、評判の低下、すなわちレピュテーションリスクに備えることは重要です。しかし、レピュテーションリスクとはどのようなものか、よく分からないという方もいるのではないでしょうか。この記事では、レピュテーションリスクについて詳しく解説します。
レピュテーションリスクの意味
レピュテーションとは「評判」という意味をもつ言葉で、レピュテーションリスクは「評判リスク」や「風評リスク」ともいわれます。レピュテーションリスクとは、企業に対するネガティブな評価が広まった結果、企業の信用やブランド価値などが低下し、損失を被るリスクのことを指します。
なぜ注目されているのか?
レピュテーションリスクが注目されるようになった理由として、インターネットが発達し、SNSや口コミサイトを多くの人が気軽に利用するようになったこと、それにより個人が情報発信することが容易になったことが挙げられます。その結果、企業の良い評判だけでなく、悪い評判も一瞬で拡散されるようになりました。また、ネット上に一度拡散された情報を消すことは困難です。
このようなリスクが経営におよぼす影響を最小限に抑えるためにも、レピュテーションリスクへの対策が、今重要視されています。
レピュテーションリスク対策が気になる方はお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちらから。
レピュテーションリスクの原因
では、どのようなケースが評判を落とすレピュテーションリスクにつながっていくのでしょうか。ここでは、主なものとして「不祥事や内部告発」「風評被害」「商品やサービスの質の低下」「同業他社の業績の悪化」の4つを解説します。
不祥事や内部告発
幹部の逮捕やアルバイト従業員の不適切な行動といった不祥事により、企業の評判(レピュテーション)が低下した事例を聞いたことはないでしょうか。こういった不祥事がきっかけで、上場廃止や廃業・倒産に追い込まれたというケースもあります。一部の従業員のためにレピュテーションが暴落するのはあり得るということです。監査の徹底や従業員への教育は、とても大切だと言えるでしょう。
また、企業が起こした不祥事として、外国産の食材を国産と偽装して提供したケースや、売れ残った商品の賞味期限を偽って販売したケースなどがあります。こうした問題は社員や関係者の内部告発によって発覚したケースも少なくありません。
風評被害
根拠のないデマや噂などをもとに企業の悪い評判が広がり、レピュテーションリスクが発生することがあります。
こういった情報を拡散するのは顧客だけとは限らず、在籍している社員や退職した元社員によって企業の悪い評判や、事実とは異なる情報が拡散されてしまうこともあります。
商品やサービスの質の低下
たとえ不祥事を起こしていない、風評被害を受けていない、という場合でも、レピュテーションリスクが発生する場合があります。その理由の一つが、商品やサービスの質の低下です。
「店員の態度が最悪だった」「前に行った時より高くなった上に味が落ちた」といった評判は、SNSや口コミサイトなどを通じて、一瞬で悪評として拡散されてしまいます。
同業他社の業績の悪化
一見関係がなさそうですが、同業他社の業績が悪化することも、レピュテーションリスクの一つです。同業他社の業績悪化が明らかになることで、自社の業績が悪化していなくても、「この会社も経営が危ないのではないか」「業界そのものが危険なのではないか」といった憶測が広まるためです。これを回避するためには、企業として積極的に情報を発信する必要があります。
いずれも問題が小さなうちに対応し、拡大を未然に防ぐ必要があります。
レピュテーションリスクについてのご相談はこちらから。
実際に起きたレピュテーションリスクの事例・事件を紹介
続いて、実際に起きたレピュテーションリスクの事例について紹介します。
ここでは、「飲食店でのアルバイトによる不祥事」「大手企業での大規模な情報漏洩」「大手広告代理店での過労死問題」の3パターンを取り上げます。
飲食店でのアルバイトによる不祥事
回転寿司チェーン「くら寿司」で、アルバイト従業員が、魚の切り身をごみ箱に捨てた後、ふざけてまな板にのせるという動画がSNSにアップされ、瞬く間に拡散されました。
くら寿司側は、不適切行為を行った当時十九歳のアルバイト従業員と、その様子を撮影したSNS投稿者に対して、刑事・民事の両方で法的措置をとりました。
大手企業での大規模な情報漏洩
「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」で知られる企業「ベネッセコーポレーション」では、2014年に3,500万件を超える顧客情報の流出が発生しました。グループ会社の業務委託先従業員が、システム開発業務に従事していた立場を利用して、名簿業者に情報を転売。意図的に個人情報を流出させた事件です。
この事件により、当時の取締役二名が引責辞任。事件の影響で大規模な顧客離れが起きました。
大手広告代理店での過労死問題
大手広告代理店「電通」では、2015年に社員が過労死自殺をしてしまうという事件が起きました。この事件では、パワーハラスメントや慢性的な長時間労働が原因でうつ病を発症したとし、亡くなった社員の両親が電通に対して損害賠償を請求。安全配慮義務違反が認められ、約1億6,800万円の損害賠償で和解となりました。
レピュテーションリスクを回避するための対策
では、そもそもレピュテーションリスクはどうすれば避けられるのでしょうか。
ここではレピュテーションリスクを回避するための対策について解説していきます。
回避するにはレピュテーションマネジメント
レピュテーションリスクを回避するためには、レピュテーションマネジメントを行う必要があります。
レピュテーションマネジメントとは、企業が、社外からの高い評価を維持したり、失った評判を取り戻したりするための活動のことです。
レピュテーションマネジメントの種類
レピュテーションマネジメントには、平常時(攻めのリスクマネジメント)と緊急時(守りのリスクマネジメント)の二種類があります。
平常時には、新たな評判を獲得するためのリスクマネジメントに取り組み、問題が発生してしまった後の緊急時には、失った評判を取り戻すための守りのリスクマネジメントに取り組む必要があります。
具体的にはどのようなことを行えばよいか、まとめました。
平常時 | ・顧客との信頼関係を構築する
・企業の広報に力を入れる ・ブランディング(企業や商品イメージのアピール) |
緊急時 | ・危機管理マニュアルを整備する
・問題が発生した時のことを想定しての訓練 |
レピュテーションマネジメントに取り組む際、何から始めたらよいかわからない場合があると思います。
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