企業を守るレピュテーションマネジメントとは?その目的やメリットを解説
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- ブランドセキュリティ
企業において、自社のイメージや評判を管理するのは非常に重要です。
特に、インターネットが発達しており、瞬く間に情報が広がってしまう現代では必須ともいえるでしょう。
そんなイメージの管理を行う「レピュテーションマネジメント」について、耳にしたことはあるが詳しく知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんなレピュテーションマネジメントの目的や具体的な方法について、詳しくご紹介していきます。
ぜひ、実際の企業活動のご参考にしていただければと思います。
レピュテーションマネジメントとは?
レピュテーションマネジメントとは、冒頭でもご紹介したように企業が自社のイメージや評判を管理するために行うマネジメント活動のことを指します。
ポジティブなイメージよりもネガティブなイメージの方が拡散力があるため、イメージが低下したまま対処を怠れば最悪の場合には倒産にも繋がってしまうリスクもあります。
そのため、企業が目指すブランドイメージの構築を目指すのはもちろんですが、できる限りイメージの低下を招かないような維持・有事の際のイメージ回復も重要になります。
どんなに良いサービスや商品を取り扱っている会社でも、評判が低ければ集客率や購買率が下がってしまいます。
レピュテーションマネジメントは、マーケティングにおいても重要な要素と言えるでしょう。
レピュテーションマネジメントが必要とされる背景
現代ではインターネットやSNSが発達し、個人が簡単に情報を発信できるようになっています。
便利になった反面、例えばデマや真偽が不確かな噂、誤解したままの情報など、誤った情報が一瞬で拡散されてしまうといった危険性もあるでしょう。
企業に関する情報も例外ではなく、その情報の審議に関わらずネガティブな情報があっという間に広まってしまい、イメージの低下や大きな風評被害など、企業の存続にもかかわる事態を招いてしまうこともあり得ます。
そのため、企業の安定した活動のためにレピュテーションマネジメントは近年特に必要とされているのです。
「ブランド」と「レピュテーション」の違い
レピュテーションマネジメントで管理される「レピュテーション」と「ブランド」は混同されることがありますが、ブランドは企業や商品が持っている固有のイメージのことを指しており、レピュテーションは、簡単に言えば企業や商品が社会からどういった認識をされているか、どの程度信頼されているかという外部からの評判を意味しているという違いがあります。
ブランドは企業がつくり上げて行くものですが、レピュテーションは外部から大きく影響を受けるものであるということです。
レピュテーションマネジメントでは、この外部からの評判の管理を行います。
レピュテーションを落としてしまう事例
企業のレピュテーションを落としてしまう事例は、意外にも多く見られます。
例えば、様々な企業でSNSの公式アカウントを活用することによって、商品やサービスの情報発信を行っていますが、消費者に対してより親しみを持ってもらうことを目的に、担当社員が自由に発言をすることを認められているケースも多くあります。
この担当社員が企業の評価・信頼を下げてしまうような不適切な発言をしてしまうことで、炎上を招いてしまう場合もあります。
また、企業が直接の原因ではないケースも存在します。
企業の広告として非常に高い影響力があるとされるSNSにおいて、高い認知度を持つ企業の影響力を利用しようと、企業の偽アカウントを作成して他ユーザーの個人情報やクレジットカード情報を得ようとする被害も少なくありません。
これは企業側の責任ではありませんが、偽アカウントに対して何も対処をしないことで、多くのユーザーから批判が殺到してしまうといったことがあるのです。
レピュテーションマネジメントの目的
レピュテーションマネジメントの目的については、主に以下の2つが挙げられます。
企業イメージの向上と維持
レピュテーションマネジメントの最大の目的は、企業イメージの向上と維持です。
悪い評価を無くすことはもちろんですが、競争率が高い中で、企業イメージの向上を目指すことは、必要不可欠な要素と言えるでしょう。
企業イメージを維持するだけでは、むしろ評価が下がってしまう傾向にあります。
幅広いユーザーにポジティブなイメージを与えるためには、レピュテーションマネジメントを活用することで、効果的に行うことができると言えるでしょう。
悪化した評判の回復
レピュテーションマネジメントは、不祥事や風評被害などによって自社にネガティブなイメージがついてしまった場合の評価の回復にも効果的に働きます。
例として、不祥事を起こしてしまった場合の謝罪会見などの緊急の対応や、同じことが起きないように対策を行うリスクマネジメントなどがレピュテーションマネジメントとして挙げられます。
マネジメントにおいて企業が注意する利害関係者(ステークホルダー)には、以下が挙げられます。
・企業のイメージや社会的評価を気にする社員
・将来性に注目する株主
・高品質のサービスや製品を望む消費者と取引先
・企業に対して社会貢献を望む地域社会
・発言力のあるインフルエンサー
信頼が一度でも落ちてしまうと回復することが難しいため、なるべく被害を最小限にして、評価の回復を目指すことが重要と言えるでしょう。
レピュテーションリスクが顕在化する原因
レピュテーションリスクが顕在化する原因を把握しておくことで、不祥事や風評被害を起こしてしまった場合に被害を最小限に押させることにも繋がります。
具体的なレピュテーションリスクが顕在化する原因については、以下の通りです。
サービス・商品に関するクレーム
サービス・商品に関するクレームは、口コミやSNSなどによって、レピュテーションリスクが顕在化してしまう原因の一つです。
例えば商品に異物が混入していた、産地偽装していたなどのクレームは、企業の信頼度を一気に下げてしまうリスクがあるため細心の注意が必要と言えるでしょう。
また、サービスや商品に関するクレームを起こさないためにも、定期的な調査が重要になります。
経営に関わる不祥事
経営に関わる不祥事についても、レピュテーションリスクを顕在化させてしまう原因となります。
インサイダー取引や横領、脱税などが挙げられますね。
経営に関わる不祥事は主に経営陣が原因となってしまうため、従業員はもちろん、経営陣に対して教育することも重要な要素と言えるでしょう。
内部告発
レピュテーションリスクの顕在化として、内部告発も多いケースと言えます。
社内の労働環境が悪い場合には、ハラスメントや長時間労働などの社員による不満によってSNSで内部告発されることも少なくありません。
内部告発は会社のイメージを急激に落としてしまうため、取引先からの発注数の減少はもちろん、人材育成にも悪影響を与えてしまいます。
最悪の場合、会社存続の危機にもなってしまうリスクがあるでしょう。
レピュテーションマネジメントを実施するメリット
レピュテーションマネジメントは、ご紹介したようなリスクをできる限り避けるためにも重要です。
さらに、効果的なレピュテーションマネジメントを実施することでマイナスイメージの回復以外にもプラスの様々なメリットが得られるでしょう。
評価を向上できる
レピュテーションマネジメントを実施することで、自社に対する評価を向上させることが可能です。
不祥事が起きないように対処したり、否定的でネガティブな意見もしっかりと取り込めるようにマネジメントを行うことで、企業全体のイメージを向上させることにも繋がるでしょう。
実際に、レピュテーションマネジメントを実施したことによって、以前よりも評価を向上させることに成功した企業は多く挙げられます。
潜在的なニーズを理解できる
レピュテーションマネジメントの一環として分析を行うことで、消費者が本当に求めているニーズを把握することも可能です。
新規事業や新商品の開発などの新しいことを始める際にも、レピュテーションマネジメントを有効に働かせることができるなど、潜在的なニーズを理解することで結果的に企業の成長にも繋げることができます。
新たなファンを獲得できる
不祥事の際の対応などによって評価が向上できれば、自社に興味のなかった相手や否定的だった相手からの評判を改善できることもあります。
悪評が広がるような事態が起こったとしても、それによって企業を認知した新たな層をファンとして獲得できる可能性もあるということですね。
レピュテーションマネジメントの実施方法
それでは、実際にレピュテーションマネジメントを行う具体的な方法を見ていきましょう。
対象のステークホルダーは幅広く存在しているため、その方法にも多くの種類があります。
社内教育
レピュテーションを落としてしまう事例としても挙げたように、社員による不適切な発信などによって評判を落としてしまうことがあり得ます。
悪意があるなど意図的でなくてもそういった事態を引き起こしてしまう可能性もあるため、
社内教育もレピュテーションマネジメントでは重要な要素と言えるでしょう。
リスクを減らすためにも、経営陣含めすべての従業員に対して会社の評判・評価を下げてしまう行動をとらないように教育することが大切です。
モニタリングを実施する
普段から体制を整え、SNSなどインターネットのモニタリングを行うことによって、企業存続のリスクを最小限に抑えることが可能になります。
実際に、モニタリングを実施したことによって、内部告発などの被害を抑えることに成功した企業も多くあります。
ステークホルダーとのコミュニケーション
社員や取引先、顧客など、ステークホルダーと普段からコミュニケーションをとることも非常に重要です。
SNSやチャット、電話など様々な窓口を設け、企業側からの情報発信はもちろんステークホルダーとの双方向のコミュニケーションをとることによって、自社に対する意見を取り入れることができ、評判を維持・向上することができるでしょう。
クライシスコミュニケーション
クライシスコミュニケーションとは、非常事態が起きた際に情報を開示したり、企業への被害を最小限に抑えるために行うコミュニケーション活動のことを指します。
不祥事の際には、適切な対処をどれだけ迅速に行えるかが非常に重要です。
特にステークホルダーに対しては、不安を招かないようクライシスコミュニケーションによって事実や対処の内容を正確に伝えることが必要になります。
緊急時にそういった対応が素早く行えるよう、事前に緊急時の対応については明確にしておきましょう。
ブランドイメージを向上させる
ブランドイメージを向上させることで、必然的に企業の信頼・信用度が高まるため、レピュテーションマネジメントにも効果的に働きます。
しかし、ブランドイメージを重視しすぎるとレピュテーションを判断できない原因となってしまうことはもちろん、本質とは別の対応をしてしまうリスクも有るため、あらかじめ注意が必要と言えるでしょう。
専門家に依頼する
レピュテーションマネジメントでもっとも確実に効果を得る方法としておすすめするのが、専門的な知識を持つ対策会社に依頼することです。
自社で知識が不足したままレピュテーションマネジメントを行うよりも、専門会社に依頼することで豊富なノウハウと独自の知見などにより、効率よく実施することができるでしょう。
もちろん、レピュテーションマネジメントでは社員ひとりひとりがレピュテーションリスクに対して危機感を持って行動することが重要になります。
専門会社による施策と並行して主体的にレピュテーションマネジメントを行っていくことで、効果を最大化できますね。
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レピュテーションマネジメントには、まずは企業のレピュテーションリスクに関して知ることが重要です。
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まとめ
今回は、レピュテーションマネジメントについて知りたい方に向けて、レピュテーションリスクが顕在化する原因や実施するメリット、さらに具体的なマネジメントの方法などを紹介しました。
レピュテーションマネジメントは、企業を守るために現代では必須と言っても良いものです。
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