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名誉毀損の構成要件とは?法人に対する名誉毀損の例

hibou-chusyo

2023.10.26
  • 誹謗中傷

インターネット上の名誉棄損について悩んでいませんか?

今回は「名誉棄損の構成要件」について解説します。

結論、不特定多数の人に対して社会的評価を貶めるのが名誉棄損です。

とくに今回は法人の名誉棄損について解説するので、法人格の方は参考にしてください。

その他にも「名誉棄損が成立しない例」や「名誉棄損を回復する方法」についても解説します。

また「法人の名誉棄損の判例」については、こちらの記事で解説しているので、参考にしてください。

名誉毀損の構成要件とは

名誉毀損の構成要件とは

名誉毀損には構成要件があります。

構成要件とは、刑法の条文で規定されている「犯罪が成立するための条件」です。

名誉毀損の構成要件は刑法第230条第1項に記されています。

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法第230条(名誉毀損)

「公然と」とは、不特定あるいは多数の人に情報が伝達されるおそれのある状態です。

場所としては街頭・SNS・匿名掲示板をイメージする人が多いでしょう。

しかし情報が洩れる可能性があるなら、知人だけが集まるLINEグループも該当します。

「事実を適示する」とは、具体的な事実を示す行為です。

ただし具体的な事実とは、真実とはまったく違います。

真実かどうかに関わらず、不特定多数の人に対して社会的評価を貶めるのが名誉棄損です。

名誉毀損と侮辱の違い

名誉毀損と侮辱の違い

名誉毀損と間違われやすいのが「侮辱」です。

どちらも他人を貶める行為となりますが、意味は違ってきます。

名誉毀損とは違い、侮辱では事実の適示の要件を満たす必要はありません。

大勢の前で相手を貶めるような発言をすると侮辱罪に該当するでしょう。

名誉棄損にあたる表現例

名誉毀損にあたる表現例について紹介します。

具体的な事実を含んでいるのが名誉毀損です。

  • 〇〇は詐欺師で大勢から金を巻き上げている
  • 〇〇は不倫をしている

上記のような内容を公然と表明するのが「公然と事実を適示」にあたります。

事実かどうかは調べなければ不明です。

しかし事実だとしても名誉毀損にあたる可能性が高いでしょう。

名誉毀損にあたらない表現

名誉毀損にあたらない表現も知っておくと役に立ちます。

該当するのは、主観的で具体的な事実を含まない表現です。

  • 「バカ」と叱責する
  • 相手の容姿をけなす

上記のようなパターンでは、名誉毀損にはあたりません。

ただし「侮辱」に該当します。

法人に対する名誉棄損に当たる例

法人に対する名誉棄損に当たる例

名誉毀損は個人だけでなく、法人が被害者でも成立します。

SNSを利用した代表的な例として考えられるのが以下の2パターンです。

  • 貶めるような投稿
  • 誹謗中傷する投稿

名誉毀損か判断するために、それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

貶めるような投稿の例

商品やサービスを貶めるような投稿は、名誉棄損に該当する可能性があります。

実際にSNSや匿名掲示板で該当する投稿を見かけた経験を持つ人も多いでしょう。

たとえば以下のような投稿が該当します。

  • A社の食品には異物が混入している
  • B社の製品は粗悪で故障している

「虫が入っていた」「衛生管理に問題がある」との投稿は話題になりがちです。

そして、その投稿が虚偽であったケースも存在します。

実際には異物混入や製品の故障がないのであれば、根拠のない事実の適示です。

SNSなどを使って公然と適示すると、法人や企業の社会的評価の低下につながります。

そのため名誉毀損が成立する可能性が高くなるでしょう。

誹謗中傷する投稿の例

商品やサービスだけでなく、法人や企業の経営者・従業員に対する誹謗中傷の投稿も、名誉毀損に該当し得る可能性があります。

たとえば以下のような投稿は、名誉棄損に該当すると考えられるでしょう。

  • A社は反社会的組織とのつながりがある
  • D社の従業員は不倫をしている

反社会的組織とのつながりがあるとの噂が広まれば、事実であるかに関わらず企業のイメージダウンにつながります。

従業員の不倫は法人・企業の責任ではありませんが、管理を問われる声が出がちです。

著しく会社の社会的評価を下げる可能性があるため、名誉毀損が成立し得るでしょう。

名誉毀損罪が成立しない例

名誉毀損罪が成立しない例

法人や企業の社会的評価に影響するとしても、名誉毀損罪が成立しない例もあります。

名誉毀損罪が成立しないのは、内容に合理的根拠があり公共の利害につながる場合です。

しかし公共の利害との言葉で内容が思い浮かばない方も多いでしょう。

名誉毀損罪が成立しない例も紹介していきますので、判断材料としてご確認ください。

利害に関する場合の特例の要件

公共の利害に関する場合は、特例により名誉棄損に該当しないと定められています。

刑法第230条第2項にある3つの要件すべてを満たすなら、名誉毀損罪にはあたりません。

(公共の利害に関する場合の特例)第二百三十条の二
前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

引用元:刑法第230条の2(公共の利害に関する場合の特例)

例として考えられるのが、確たる証拠がある場合で企業の不祥事を暴くケースです。

その場合でも、公益を目的としている必要があります。

  • 従業員が確かな証拠をもとにして自社の違法行為をSNSで告発した
  • 実際に使った商品が粗悪でありネガティブな投稿をした

違法行為を世に知らせるのは、公益につながる可能性があります。

粗悪商品についてのレビューは、他の利用者にとっては有益な情報です。

そのため上記のような例は、名誉毀損罪には該当しないでしょう。

事実が真実であると誤信した場合

「公共の利害に関する場合の特例」では、真実の証明が求められます。

しかし実際には不確かな情報をもとに「真実である」と誤診する例もあるでしょう。

その場合には、名誉毀損罪が故意であったかに焦点が当てられます。

昭和44年6月25日、最高裁では以下のような判決を下しました。

 刑法二三〇条ノ二
第一項にいう事実が真実であることの証明がない場合でも、行為者がその事実を真実であると誤信し、その誤信したことについて、確実な資料、根拠に照らし相当の理由があるときは、犯罪の故意がなく、名誉毀損の罪は成立しないものと解するのが相当である。

引用元:裁判例結果詳細 | 裁判所 – Courts in Japan

名誉毀損の範囲を広げ過ぎると、言論の自由も失われるリスクがあります。

また不正行為があったとしても、告発が行われなくなってしまうでしょう。

そのため相応の理由があれば、故意の名誉棄損に該当しないと考えられます。

インターネット上で名誉棄損を受けた場合の対策

インターネット上で名誉棄損を受けた場合

インターネット上で名誉棄損を受けたと発覚したら、なるべく早い段階で対処するのが望ましいでしょう。

法人・個人に関わらず、対処方法には以下の3つが考えられます。

  • サイト削除依頼を出す
  • 法的措置をとる
  • 弁護士に依頼する

名誉棄損にスピーディーな対処をするためにも、それぞれの方法を確認しておきましょう。

サイト削除依頼を出す

インターネット上で名誉毀損の書き込みを受けたら、迅速に削除依頼を出しましょう。

大勢が見て話題になってしまう前に対処するのがおすすめです。

2ch・5ch・爆サイのような匿名掲示板、TwitterやInstagramなどのSNSいずれも、それぞれルールが違います。

利用規約を確認し、それぞれに合った方法で削除依頼を出しましょう。

ただし削除依頼を出しても、運営が対処しない可能性があります。

また悪質な利用者による投稿の場合、新たな投稿が続く可能性もあるため注意が必要です。

法的措置をとる

法的措置をとる

名誉毀損に該当する投稿には、法的措置をとる方法もあります。

投稿が悪質な場合は、放置せず法的措置を検討してみましょう。

  • 掲示板・SNSの運営会社が対応しない
  • 削除対応後も名誉毀損に該当する投稿が続く
  • 投稿の影響を受けて大きな被害が生じている

名誉毀損罪では相手を特定すると罪に問えます。

刑事では3年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金です。

民事では投稿の削除だけでなく慰謝料の請求もできます。

ただし裁判が必要になる可能性が高いため、専門的な知識が必要です。

弁護士に依頼する

なるべく早く犯人を特定して対処したいなら、弁護士に依頼する方法もあります。

犯人を特定するためには、IPアドレスの割り出しが必要です。

ただしIPアドレスの保存期間は会社によって違い、3か月ほどで消える可能性もあります。

そのため犯人を特定するなら、なるべく早く弁護士に依頼すると良いでしょう。

弁護士によって得意分野は大きく違います。

名誉毀損への対応が得意な弁護士への依頼を検討してください。

法人が名誉毀損の被害を回復する方法

法人が名誉毀損の被害を回復する方法

名誉毀損により社会的評価が低くなったなら、回復を考える必要があります。

回復の方法は以下の2つです。

  • 損害賠償請求
  • 名誉回復の処分を請求

どちらが良いかは状況によっても違ってくるでしょう。

それぞれの内容を紹介しますので、被害回復の参考としてお役立てください。

損害賠償請求

代表的な被害の回復方法となるのが、損害賠償請求です。

犯人に対し民事裁判で責任を追及して勝訴すれば、損害賠償請求ができます。

損害賠償額は状況により大きく変わってくるでしょう。

弁護士と相談しながら手続きを進めてください。

名誉回復の処分を請求

名誉回復の処分を請求する方法もあります。

具体的には考えられる名誉回復の処分は以下の2つです。

  • 該当する投稿の削除
  • 謝罪広告の掲載

社会的評価が下がると、どうしても回復は難しくなり時間がかかります。

時間がかかれば法人・企業への被害は甚大です。

しかし名誉回復の処分があれば、早い段階での状況改善が見込まれるでしょう。

名誉毀損の刑事責任と民事責任の違い

名誉毀損の刑事責任と民事責任の違い

名誉毀損は、刑事責任・民事責任の両方を追及できます。

しかし「刑事と民事の違いが分からない」と感じる人も多いでしょう。

  • 法律の違い
  • 責任の取り方の違い
  • 被害者の手続きの違い
  • 時効の違い

刑事と民事の違いを知るために、4つの違いをチェックしてみてください。

法律の違い

刑事責任と民事責任の違いで特に大きいのが、法律の違いです。

それぞれ根拠となる法律が違っています。

名誉毀損での刑事責任で根拠となっているのは刑法第230条です。

民事責任では、民法第709条・710条の不法行為による損害賠償責任が根拠となります。

責任の取り方の違い

刑事責任と民事責任では、責任の取り方にも大きな違いがあります。

刑事裁判で有罪判決が下ると、名誉棄損の場合は「3年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金」です。

民事裁判で敗訴しても罰則はありませんが、損害賠償金の支払いを求めることができます。

また名誉回復の処分を請求できる可能性もあるでしょう。

そのため刑事責任よりも民事責任を追及したい案件も出てきます。

被害者の手続きの違い

被害者の手続きの違い

刑事責任と民事責任では、被害者の手続きにも違いが出ます。

それぞれの手続きを大まかに説明すると、以下のとおりです。

刑事責任捜査機関に告訴状を出し、警察・検察が捜査を行って起訴または不起訴を判断する
民事責任被害者が弁護士に依頼して裁判所で民事訴訟を起こす

注意したいのは、名誉毀損が親告罪となっている点です。

親告罪では、公訴にあたって被害者からの告訴が必要となります。

そのため弁護士など法律の専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。

時効の違い

刑事と民事では時効も違いますので、参考として覚えておくと良いでしょう。

名誉毀損罪の場合、公訴時効は3年です。

また親告罪では、犯人を知った日から6か月を過ぎてしまうと告訴できなくなります。

民事事件での時効とは、損害賠償請求権の消滅する日です。

被害者が損害の発生あるいは加害者を知ってから3年が時効となりますので、くれぐれも注意しましょう。

スムーズに進めるのなら、なるべく早い段階で専門家に依頼して手続きを開始するのがおすすめです。

名誉棄損に該当する場合は専門業者へ依頼

名誉毀損 構成要件 法人

名誉棄損に該当する場合は、すぐに対処しましょう。

法人が名誉棄損された場合、自社の評価を大きく下げてしまいます。

弁護士に依頼する他、インターネット上の名誉棄損であれば専門業者への依頼もおすすめです。

ぜひ今回の記事を参考に、自社の評価を下げないように取り組んでください。

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